一年でいちばん美しい月を愛でる行事
9月中旬の満月は「中秋の名月」といわれ、一年で最も
美しい月が見られるとき。中国で行われていた月を見る
習わしが日本に伝わり、平安貴族が「観月の宴」としたの
が、お月見の始まりでした。日本では、秋の収穫を感謝す
るお祝いという意味も込められ、おだんごや果物を供え
る、お月見のスタイルとなったのです。月を愛でるという
優雅な風習をぜひ楽しんで。
秋のお彼岸
9月23日の秋分の日を中心に行われる秋のお彼岸。
春分の日と同じように、お墓参りで先祖と語らいます。
春のお供えは「ぼたもち」ですが秋は「おはぎ」に春は
牡丹、秋は季節の花「萩」に由来しておはぎといいます。
やさしい仏教入門
■三途の川をはさんで、こちら側の世界、此岸 しがん 人間の世界。
向こう側の世界、彼岸 ひがん 仏様の世界、悟りの世界。
■彼岸の原点は梵語のパーラミター(波羅蜜多)で、超える、渡る、の意味から到彼岸
と訳されました。
お彼岸の時期に先祖供養をするのは、日本独特のものです。先祖を敬い、亡くなった
人々を偲ぶ日です。歴史的には806年(大同元年)に早良親王(崇道天皇)の霊を慰める
ため行われたのが最初といわれています。
暦の上では、「春分の日」と「秋分の日」を中心に前後三日間、合計七日間を指します。
前後の三日、計六日は、悟りの世界へ到達するための六種類の修行方法、六波羅蜜
ろくはらみつ に由来しています。
また、この時期は「暑さ寒さも彼岸まで」と言うように季節の代わり目で、暑さ寒さの
中間点、また昼と夜との時間の長さも同じときです。
極端な考え方を避ける仏教にとっては、供養や修行をするにはふさわしい時期なのです。