震度6以上の大きな地震が来たとき、多くの人は立っているのも困難な状況になってしまいます。こうした中で『火を消す』『出口を確保する』といった行動ができるでしょうか?
大きな地震が来たとき、まずは自分の身の安全を確保する事を第一に考えましょう。地震で大きな揺れが来ると家具やガラス、棚の上においてあるものなどがいっせいに倒れたり崩れ落ちたりしてきます。よって、まずは頭を危険から守ることを考えて下さい。丈夫な机の下などに隠れる事ができればよいですが、それもままならない時、座布団、クッション、雑誌など、何でも良いので頭を守ります。何もなければ手で頭を抱え込みましょう。“頭よりも手を怪我する方がマシ”なのです。ただし、手の甲を上向きにしましょう。手のひらを上に向けると、動脈を傷つける可能性があるからです。
小さな子供やお年寄りがいる場合、地震の大きな揺れの最中は近寄る事もできないかもしれません。とにかく大きな声で呼びかけ、指示を出しましょう。大きな声で互いに声を掛け合うことで、安心感を与えます。もちろん、地震時でも自分が動ける状態であれば、すぐに傍によって一緒に机の下などに避難しましょう。
もし立てないほどの大きな地震ではない場合は、机の下に入る前に火の始末と出口の確保をしたいものです。これは、大地震の最初の大きな揺れをやり過ごした後でも優先して行うべきことです。マンションなどの高層住宅の場合、窓が開いたとしても飛び降りる事はできません。玄関かベランダのどちらかを脱出口として確保しておかなければなりません。また、地震の二次災害で火災が発生したとしても燃え広がるまでにはしばらく間があります。落ち着いて初期消火をしましょう。普段から消火器具を備えておきましょう。
トイレや入浴中に地震がきたら、ドアを開けてまずは避難口を確保しましょう。トイレや浴室は面積が狭く、四方を壁と柱で囲まれているので地震時でも比較的安全です。ただし、入浴中は身を守るものがないので、割れた鏡やガラスによる怪我には十分注意しましょう。
外へ避難する時にも落ち着いて行動しなければなりません。地震では多くの人が落下物による怪我をします。地震時の避難は、揺れが収まり、周囲の状況を判断してからです。あわてて外へ出てしまわないようにしましょう。
エレベーターやエスカレーターで地震がきても防災!
エレベーターの中で地震が発生した場合、1981年以降に設置されたものは、震度4以上の地震の揺れを感知すると、自動的に最寄の階で停止してドアが開くようになっています。しかし、古いエレベーターの場合はこの地震時自動停止機能がついていないので、揺れを感じたらすぐに全ての階のボタンを押して、なるべく早く停止させ、避難するようにしましょう。
それでも地震でエレベーター内に閉じ込められてしまっ
た場合は、あわてずに非常用呼び出しボタンやインター
ホンでサービス会社に救助を求めます。万が一インターホ
ンもつながらない場合は、エレベーター内に書かれてあるサー
ビス会社か消防署に直接電話しましょう。
エスカレーターに乗るときは普段から手摺に手をかけて置くように心がけましょう。
地震でエスカレーターの急ブレーキがかかると、将棋倒しになったり転落の危険性
があるからです。地震で避難する時は、エレベーターもエスカレーターも使わず、必
ず階段を使って徒歩で避難するようにしましょう。