2018年7月16日月曜日

目のお話


 涙のはたらきとドライアイ
 私たちは、嬉しいときや悲しいとき、悔しいときなど、
 感情が昂ったときに目から涙を流します。しかし、涙は
 感情によってあふれ出るものだけではありません。 目
 表面には常に涙があり、潤った状態を保っています。
 今回は、涙のはたらきと、涙が乾いてしまう症状「ドラ
 イアイ」について紹介します。2種類の涙 それぞれの
 はたらき私たちの涙は、2種類に分けられます。1つ目は、
 「基礎分泌の涙」です。これは、目の表面に常に供給され
 蓄えられている涙のことです。 この涙は、目の表面を乾燥
 から守ったり、酸素や栄養素を運んだりするはたらきがあります。 
 ごくわずかな量ですが、目にとってとても大切で、目の表面が必要とする
 ビタミンやタンパク質を供給し、外から入ってきたゴミや、古くなってはが
 れた細胞を運び去る役割を果たします。
 2つ目は、「刺激・反射性分泌の涙」です。これは、感動したときや悲しいとき、
 感情によって出る涙、 タマネギの成分の刺激により出る涙、目にゴミなどが入っ
 てしまったとき、異物を素早くを洗い流して目の健康を守るために反射的に分泌
 される涙などをいいます。鏡で、上下のまぶたの目頭を見てみると、小さな穴が
 見つかります。 これは涙の排出口で、古くなった涙はここから吸引されるように
 鼻腔のほうへ流れていきます。
涙が乾くドライアイ
 目の表面には常に涙があり、涙が目にとって大切なはたらきをすることを紹介し
 ましたが、 目の表面に涙が十分に行きわたらず乾いてしまうと、目の痛みや充血、
 疲労感や不快感といった症状が現れます。 このような乾き目の症状を「ドライアイ」
 とよびます。ドライアイは、その予備軍も含めると国内で2000万人の患者がいると
 推測されています。ドライアイの原因はさまざまですが、パソコンを使った作業の
 増加や、コンタクトレンズの長時間の装用、空気の乾燥、まばたきの減少などが原因
 であると考えられています。ドライアイの治療には、手軽な目薬がおすすめされてい
 ます。涙に近い性質を持った人工涙液(じんこうるいえき)タイプの目薬が基本にな
 ります。 不足する涙を補うもので、長期的な使用もできるため安心です。 他には、
 視力が低下して眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていないと、目をこらしてもの
 を見るためにまばたきが減ってしまい、ドライアイとなることもあります。 このため
 視力の再検査も大切です。 また、パソコンを使用する際は目の負担をやわらげる工夫
 をしたり、空調や湿度を調整して目にやさしい環境を作ったりすることを心がけまし
 ょう。涙の大切なはたらきを知り、目にやさしい生活を送りましょう。
目に入る光と睡眠の質
 最近よく耳にするブルーライト。ブルーライトとはパソコンやスマートフォン、テレ
 ビなどのデジタル機器から発せられる青色光のことです。夜にブルーライトがたくさ
 ん目に入ると、睡眠のリズムに悪影響を与えるとも言われています。 では、目に入る
 光が睡眠の質を悪くするとはどのようなことでしょうか。
眠気を誘うホルモン「メラトニン」
 夜になると眠くなり朝になると目覚めるのは、体内時計によって体のリズムがコント
 ロールされているからです。この体内時計を、24時間という地球の自転に合わせてく
 れるのが、脳から分泌される「メラトニン」というホルモンです。 このメラトニンは、
 脳に働きかけて眠気を引き起こす働きがあります。メラトニンの分泌は、一日のうち
 太陽光を目に取り込んでから14時間後に始まります。私たちは、朝に太陽光を浴びて
 目に光を取り込むことで、メラトニンの分泌を規則正しいものにし、体内時計を調節
 しているのです。
ブルーライトは目覚ましの光
 デジタル機器(パソコンやスマートフォン)から発せられるブルーライトは、目に見
 える光の中でもっともエネルギーの強いものです。 私たちの体は、朝にブルーライト
 を豊富に含む太陽光を目に取り込むことで、日中の活動に合った状態に切り替わりま
 す。 しかし、夜遅くまでパソコンの画面を操作していると、画面から発せられるブル
 ーライトが目を刺激して、いつまでも昼間の状態が続いていると認識して、メラトニ
 ンの分泌が抑制されます。 このように、ブルーライトが体内時計を狂わせることが、
 睡眠の質を落とす要因の一つになります。しかし、ブルーライトが必ずしも悪者とい
 うわけではありません。目に入る光の量と時間を意識していれば、睡眠に悪影響を与
 えません。 先述したように、朝はブルーライトを含む太陽光を目に取り込むことでス
 ッキリと目覚めることができます。そして夜は、なるべく就寝の2時間前にはブルーラ
 イトを浴びる時間を減らし、気持ちよく眠れるようにしましょう。目に入る光を意識
 して、夜はグッスリ朝はバッチリの生活を心がけましょう!
目はどうして充血するの?
 ふと鏡をのぞいたときに、白目が赤く充血していて驚いたことはありませんか?普段
 は白いのに、どうして目は赤く充血するのでしょうか?今回は、充血について紹介し
 ます。
結膜の充血
 白目の表面部分をおおう薄い膜は、「結膜(けつまく)」とよばれる部位です。 普段
 結膜は白く見えますが、その表面の近くには細い血管が通っています。 結膜の充血は、
 その細い血管が浮き出ることによって赤く見えます。その原因となるのは、「目の疲
 れ」だと言われています。 テレビやパソコンの画面を長時間見続けると、疲れ目を引
 き起こし、血管が膨張して、充血します。 その場合には、疲れた目を休めることが良
 いようです。 そのほかには、ドライアイの人や、コンタクトレンズを長く使っている
 場合にも、角膜が酸素を多く取り入れようとするため、血管が拡張し、充血します。
 しかし、充血にくわえて、かゆみや、目やにが多く出るといった症状がある場合には、

 結膜炎などの炎症を起こしている可能性がありますので、眼科の受診をしましょう。

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