突然起こる痛み! 足が“つる”とは?
登山やマラソン、ゴルフなどの運動をしている
ときや、夜寝ている最中に起こりやすい足の
「つり」。多くの人が経験したことのあるつらい
痛みを和らげるポイントとは?
突然起こる痛み! 足が“つる”とは?
1「つる」とは?
「つる」とは、足や手などの筋肉が伸縮バランスを崩してしまうこ
とで、異常な収縮を起こし、元に戻らない状態をいいます。筋肉
は縮めろと緩めろという脳からの指令を受けてバランスよく 動かされています。
例えば、横になって寝ているときは筋肉が緩んだ状態にあります。その緩んだ状態
の時に脳から縮めろと命令が出ると筋肉がつってしまいます。ふくらはぎ(こむら)の
内側にある筋肉の運動が制御不能になる「こむら返り」もその一つです。
2どんなときに「つる」の?
◆冷え
夜寝ている時に、パジャマがはだけたり、エアコンなどの風があたったりして、体が
冷えて血行が悪くなると、足がつりやすくなります。 パジャマは長ズボンをはくなど、
体を冷やさない工夫が必要です。
◆筋肉への強い負荷
高齢者や運動不足で筋力の低い人が、いきなり激しい運動をしたときや、 日常的に運動をしている人でも急に運動量を増やして筋肉に負荷がかかると、 足がつる
ことがあります。無理をしないで自分の体力に合った運動量を意識することが
大切です。
◆熱中症
屋外での運動や仕事で汗をかいて、マグネシウムやカルシウムなどの電解質
(筋肉細胞などの働きにかかわるミネラル)が体から出て行くと、 足や手などが
つりやすくなります。水分補給のときは、ミネラルも意識して摂りましょう。
◆その他
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などがある場合、腰から下肢に向かう
神経の異常興奮により足のつりが起こることがあります。 また、妊婦など下肢
の血流が悪い方も足がつりやすいと考えられます 。
3痛みを和らげる方法
寝ている最中や寝起きに足がつり、困ったときは、漢方薬の「芍薬甘草湯
(しゃくやくかんぞうとう)」をのむと、筋肉の痛みを和らげる効果が期待できます。
また、寝る直前にのめば足がつることを予防できます。その他にも、継続的に
のむことで体質を改善し、足がつりにくい体をつくる漢方薬もありますので、医師
や薬剤師に相談してみてください。
つったときはストレッチをして筋肉を伸ばすことも大切です。ただし、筋肉を伸ばし
すぎると、筋繊維が切れて痛みが残る場合があるので注意しましょう。